私は誰にも秘密にしている年下の彼氏がいる。

「年上なんて気にしていない」と言い切ってみせているけど・・。
彼の本心は、微かに歪む唇から感じ取れる。
やはり、年齢差を意識しているよね。
嘘を言っている時、瞳は右上を見ているという通説があるけど・・。
ねえ、あなたは、それを証明してるかな?
瞳が右上に微かに動いている。
やっぱり気にしてるじゃない。

対等に向かってくれてるあなたを意地悪な見方しかできない自分が情けなくなる。
あなたに惹かれていくほど、私の心の中には、年下の彼を本気で好きになってもいいのか
という苛まれる気持ちが大きくなっていく。
こんなに好きなのに。

あなたの笑顔を見るたびに、胸が締め付けられるように痛くなる。
それは、年下のあなたを本気で好きになっていいのかという葛藤のせいなのかもしれない。
最近は、胸が締め付けられることが多くなっている気がする。
こんな苦しい思いをするなら、いっそ・・・。私の良くない癖。

そんな私の気持ちを気付かれないよう、あなたとのお食事とお酒を楽しんでいる。
週末の今日を楽しみに今週もがんばった。
毎日、週末にあなたに会うことが楽しみで楽しみでしょうがなかった。
まるで毎日が遠足前夜のようなワクワクした気分だった。
わたしはあなたにそれほど夢中なの。

店を出て、気持ちいい風にあたりながら腕を組んで歩く。
りんとして夜道を歩く私を通りすがりの男性がチラリと見ている。
夕方の帰宅途中の電車で受ける視線と同じ。
男の子たちがため息をついて、私を見つめていることがよくある。
「あのお姉さんき麗」
「モデルさんなのかな?」
という会話が耳に入ってくる。
夜道なので男の子たちはいないけど、あなたと同じくらいの年の男性に見られている。
夜風になびく髪を見ているのか、りんとしたスタイルの身体を見ているのか、
顔を見ているのかわからないけど、凝視されちゃっている。
腕を組んでいるあなたに羨望の眼差しを向けている。

あなたの部屋で、暖かいものを身体に受け止めている。
年下の彼氏に本気になっていいのかという葛藤を溶かすほどすごく気持ちいい。
そう、全部溶けてしまう。
いやらしい音を聞きながら、あなたの顔を見ながら、全身で感じているの。
あなたの腰の動きの一つ一つが気持ちいい、、、。
意識が飛んでしまう。
好き、あなたが好きだよ。

体と体を重ねた後に、あなたの胸に顔をうずめているときが一番幸せ。
あなたの温もりを感じる。
あなたと離れられない。
でも、あなたのために離れたほうがいいのではないか。
せっかく溶けていた葛藤が大きくなっていく。
苛まれる気持ちに胸が苦しくなる。
あなたにはもっとふさわしい人がいるはずだ。
なんてことまで考えてしまう。
いいえ、わたしはあなたの女。

ずっとずっと一緒にいたいの。
彼を愛してる。
愛しているの。
あなたが好き。
あなたを愛している。