女にとって恋人の存在が面倒な時がある。
でもたまにすごく人肌恋しくなる。
隔週くらい。
何の感情もない男性にただ抱かれたい感情がわく。

いつもグループで飲む既婚の男友達と初めてデートした。
何となくグループの中でもカップリングされていた。
お互い2人で飲みたいと思っていた。

LINEでの探り合いが続く。
「みんなとも良いけど、2人で飲まない?」
男性が口火を切る。
私は、良いとも悪いとも言わない。
答えはYesだから。
でも「誘ってきたのはあなたよ」
と言い訳したいのだ。

絶対口にしないけど、デートが楽しみで仕方なかった。
いつもは21時スタートのグループ飲み会。
デートの時は18時でレストランの予約がされていた。
特別な感じがして嬉しかった。

こんなに自分をさらけ出せる男性は久しぶりだった。
既婚者ゆえの安心感なのかな。
お酒も入り、口も悪くなり、話はエロティズムに
展開していく。
何となくお互いの生い立ちも似ていた。

同じ歳のせいもあって、昔見てきた
景色が一緒だった。
学生時代を思いだし、ノスタルジックな気分になる。

夜0時。閉店時間になり、店をあとにする。
5月の深夜はまだ肌寒い。

どちらからともなく、自然に手をつなぎ歩き出す。
月曜日。
まだまだ今週は長い。
早く帰らなければ。

自然と唇が重なる。
何度も何度も。
帰りたくない。でも帰らなければいけない。
タクシーをつかまえる。
男性はそっとタクシー代をわたす。

奥さんはすごくき麗だと噂を聞く。
そんなことはどうでもよい。
恋をするつもりはないのだから。
でもいつしか嫉妬する日が来るのだろう。
このまま会い続ければ。

翌日の二日酔いが、また彼を思い出させる。