彼からすごく良い香りがする時、後ろから抱きしめたくなる。
鍛え上げられた体に、長髪から零れるシャンプーの香り。
それと香水の香りが合わさって、私の感情を高ぶらせる。

ふと街中で懐かしい彼の匂いがする。
彼であるはずがないとはわかっている。
その男性の顔を確かめるまで追いかけてしまう。
一瞬の記憶が蘇る。
腕を絡ませて歩いていたあの日。

ふと我に返り、また私は歩き出す。